ウズラ
キジ目キジ科 大きさ 20cm 分布 中国・シベリア・東日本で繁殖 日本では中部以南で越冬 |
農耕地や草地で生活。昆虫や穀類などを採って食べる。繁殖期以外は単独か小さな群れで行動。渡り鳥で、日本では東日本で繁殖し、中部以南で越冬する。 声が美しいことから、江戸時代ごろに家禽として飼われるようになり、次第に食用となっていった。野生の数は激減しているという。 |
うおおおおおおおおおお!
なんかいる!
これ・・・ウズラ!?
2009年2月、I氏とmaoと僕の3人という、ちょっと不思議な1泊ツアーで、たくさんの鳥を見てきた。燃え尽きてしまった僕は、案の定、体力の回復に2週間もかかってしまった。
その時の一番のサプライズがウズラ。もちろん僕には初見だ。
I氏を呼ばなきゃ!と思いつつ、手持ちの500mmで写真を狙う。
が、近すぎてピントが合わない。なんとか撮影しながら、「ほんとにウズラ?」と疑問符が頭の中を駆け回る。でも、確かに初見の鳥。
I氏が来るまで、なんとしてもこの状態で持ちこたえなければ・・・・と思っているうちに、目の前のウズラ(?)が身をかがめる。ああ、I氏よ、早く来い!
思わず、「Iさん! ウズラ!ウズラ!ウズラ!ウズラ!」
あ、いけねぇ! ついつい大きな声で車中のI氏を呼んでしまった・・・・。
と、急にウズラがその茂みから飛び出し、5、6歩すたたたっと歩いて、別の茂みにに潜り込んだ。
やばい、大声を出した僕の責任だ。僕はあわててウズラを追いかける。が、ウズラが見当たらない。かがむと目の前なのに一瞬のうちに見失う。気づかぬうちに奥のほうに抜けてしまったか?
もう一度、懸命に消えたあたりをよく見わたし、ようやく再発見。
あ、いけねぇ! もういなくなったかと思い、思わず近づきすぎていた。
I氏は・・・・まだ車中でもそもそしている。しかも、ウズラも僕を警戒して今にも動きそう。
どうしようどうしようどうしようどうしよう・・・・
あ、ひらめいた!
ウズラはきっと飛ばない鳥なんだ。
だったら迷うことはない。捕まえてやる!
捕まえて、I氏にライファーをプレゼントだ!
意を決した僕はさらに一歩前へ・・・
結論は言うまでもないことだが、ウズラはばたばたと飛んでいってしまった。
・・・・・・・・・ごめんなさい、I氏・・・・。
「でも、見ましたよね?」 「見ました・・・・」とI氏。
「じゃあ、ライファーですよね?」
「いえ、自分で確認していないのでライファーには加えません」とクールにI氏。
あああああ、やっちまったぁ〜
写真でウズラと同定してくれたI氏は、しょげる僕に、「いや、ウズラが関東でも越冬していると言うことがわかったし、こういうところで越冬していると言うこともわかったから、よかったです」
どこまでもクールなI氏。
うううう、僕もウズラが空を飛ぶことをはじめて知りました。
ほんとにごめんなさい。
ところで、ウズラは日本でどんどん減っているそうだ。
かつては日本でも1920年代には年に50万〜60万羽が捕獲されていたそうだ。
その鳥が今ではこんなにひっそりと生きている。
何十万羽のウズラたちはどこへ行ったのか?
なんて思っていると、2009年2月末にに鳥インフルエンザにかかった養殖ウズラが見つかった。愛知県豊橋市のウズラ農家では、同じ小屋に32万羽ものウズラたちいて、そのうちの25万9000羽が2月28日に殺処分されたそうだ。
日本にたくさんいるのに、なかなか会えないウズラ・・・・。
こんなところでひっそりと生きていたなんて、僕もまったく知らなかった。
(2009.4.15 公開)
車中、たまたま話題がウズラになった。僕より100種も多くの鳥を見ているI氏が、「見たことのない1種」というのだから、ウズラは難敵なのだ。本州中部以西の雪の降らない地方で越冬するらしいので、関東では冬に見られる可能性はかなり低いはずの鳥である。
そして、とある田んぼの真ん中で猛禽類を探していた時、maoが不意に大声を出した。
「なんか歩いていた!」 急いで車を止める。
田んぼの中の狭い農道を何かが「ぽこぽこ」(mao)と歩いたと言うのだ。
でも、他の二人はまったく見ていない。
「イタチか?」と僕。
「もっと小さい」
「じゃあ、ネズミだ」 「で、どこにいったの?」
するとmaoは、「・・・・道の真ん中でとまっている・・・はず」
「気のせいじゃないの?」
一緒に前方を見ていた僕は何も見ていない。ほとんど信じていない。
しかし、間違いないと言いはるmaoに付き合い、少し車中で待ってみる事にする。
が・・・・いくら待っても何も出てこない。
もっともっと待っても・・・・何も出てこない。
「かんちがいだな」と3人。
ネズミなどは草の根元など、地面に潜り込めばどこにいるのかさっぱりわからなくなる。
いや、イタチサイズの動物ですら、そのパターンで見失ってしまうことは多々あるもの。
何か歩いていたのは勘違いでなかったとしても、そこにまだいる確率はかなり低いはずだ。
というわけで、僕とmaoは車を降りて2m先のその辺りを探してみることにした。
降りてすぐ、maoが一瞬固まり、大きな声で「ウズラだ!」と短く叫んだ。
ウズラはなかなか見られないと話していた矢先。そんなばかな話はあるまい・・・。
と思いながら、彼の指差すほうに一歩踏み出すと・・・。
えっ?
ほんとに、前方になにかいる!
え? なに?
↑ ハヤブサは何度も飛んでくれたよ
撮影: 群馬県館林市多々良沼(平成21年1月)