ジョウビタキに気を取られ、すぐ近くにいるのに、あやうく気づかないところだった。
 音も立てず、ヨシの間からクイナがそーっと顔を出す。、写真ではわかりにくいが、赤い目とクチバシが印象的だ。

 場所は埼玉県北本市にある北本自然観察公園自然観察センターのホームページや、いろんな方たちのブログでも紹介されており、クイナはすっかり公園の人気者だ。

ツル目クイナ科  大きさ 28〜29cm  
 分布 ユーラシア大陸など 日本では北海道・本州北部で繁殖し、冬は本州〜南西諸島で越冬する。
水田や水辺の葦原など、湿地で生活。湿地を歩きまわり、主に昆虫や魚などをとって食べる。あまり飛ぶことはできない。キュッ、クイ〜などと鳴く。基本的には夜行性。観察がしにくいため、その生態や生息域はなぞに包まれている面がある。
ウォッチングのコツ・・・人が近づくとすぐに隠れるので、観察にはかなり根気がいる。生息しているという場所では、驚かさないよう、静かに現れるのを待つ。北本自然観察公園のように、管理が行き届き、観察者のマナーが守られているところでは、情報がたくさんあるし、よく現れてくれるように感じた。ビジターセンターなどがある公園がおすすめ。動きがゆったりで、すぐそこにいても見つけにくいので、周辺を広く見よう。。

 とにかくたくさんの人たちが鳥見をしている公園だ。バーダーたちが四方八方にカメラを向け、ジョウビタキやルリビタキ、ベニマシコなどをを観察している。野鳥の数がとても多いだけでなく、すぐ近くまで鳥が近づいてくれるのがこの公園の特徴。餌付けなど一切しておらず、それだけ鳥たちが安心しているということなのだろう。
 日によってムラはあるようだが、クイナもわりと頻繁に出てきてくれる。いろんな鳥に目移りしてしまいがちだが、クイナに絞って観察している人もかなりいる。会える確率はかなり高いと思うが、このクイナを観察していたのは僕も含め2人。タイミングというか、運も大切だ。


 水辺が好きな鳥。飛んだりはねたりは見たことがないが、てけてけ走る姿を見たことがある。
 あわてているんだろうな、と思うと吹きだした。動作はけっこうかっこ悪い。

bunbuku

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クイナ

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 ヨシのなかに上手に身を隠し、なかなか顔が見えない。目の前で身をかがめたクイナが数十分後にとんでもなく離れたところに現れたりする。

 赤いくちばしが見えないのは逆光だからと思っていたが、泥がついていただけだった。泥の中にクチバシを突っ込んでエサをとる。後ろを向きかけた瞬間、チラッと赤いクチバシが見えた。目の赤さも写っている。でも、長くてすらりとした自慢の足は写っていない。


撮影 : 埼玉県北本市・北本自然観察公園 (平成20年1月14日)

 上の写真は北本自然観察公園の中の別な場所。公園内には最低4羽はいるらしい。クイナはこんな雰囲気のところが好きなのだ。

 長い足は湿地に便利。静かにのそりのそりと水の中を歩く。ばしゃばしゃと移動してくれたらもっと探しやすいだろうに、気配を殺して動くものだから、すぐ脇にいてもしばらく気づかないこともある。
 のんびり屋に見えても、敵の目を欺(あざむ)くすべはなかなかのもの。夜行性といわれているけど、昼もよく活動している。昼行灯(ひるあんどん)も彼らの戦術に違いない。
 

 世界の中ではクイナの仲間はかなりの種類が絶滅している。特に離島の種に絶滅が多いのは、移入種などの新たな敵に対抗できないからのようだ。
 敵の目をうまく欺くことができれば、逃げる時間を稼(かせ)げる。でも、見つかったら最後、逃げ切るだけの素早さはない。

 近所で見つけたら、大切にしたい種だ。
 

公開:平成20年2月2日

bunbuku

北本市自然観察公園(自然学習センター) 埼玉県北本市荒井5-200

電話048-593-2891
とっても充実したホームページがあるので、そちらを参考に。
北本自然学習センター
公園内はいつでも出入り自由。動植物の採集は禁止。
学習センターには専門のスタッフが常駐。気さくに教えてもらえる。土日祝日には定例観察会のほか、子供向けのいろんなイベントがあるので、親子で楽しめる。
学習センターは開館時間:9:00〜17:00 休館:毎週月曜日(夏休み春休みは休みなし) 入館料:無料
交通:JR高崎線北本駅より北里メディカルセンター入り口行きなどで15分、自然観察公園前下車。

現地施設

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