ツチガエル  北海道・旭川近郊 

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 無尾目アカガエル科  大きさ 30〜60mm  分布 北海道(南西部)〜本州、四国、九州 朝鮮半島 中国北東部
 体にいぼがたくさんあることから、「いぼがえる」とも呼ばれる。平地から山地の田んぼや沼地、水辺にすむ。繁殖期は5月〜8月で、水草などにからませるように産卵する。80mmくらいの親よりも大きなオタマジャクシになる。ギュ-ギューギューと連続的に鳴く。 

 旭川近郊の比布町でツチガエルを見つけた。
 正直、かなり驚いてしまった。旭川近辺では見たことがなかったからだ。本来、このあたりには生息していないカエルだったはずだ。
 帰宅し図鑑を調べると、「北海道の南部・西部」には生息しているらしい。でも、道北地方には「生息していない」ことになっている。ということは、まぎれもなく人為的に持ち込まれたのだろう。時期的なことを考慮すると「越冬している」と判断できる。つまり、「旭川近辺で繁殖している」といって間違いない。

 カエルは持ち帰り、後日じいちゃんに調べてもらうことにした。
 説明の必要はないと思うけど、いてはいけない生き物を再び野に放つわけにはいけない。

bunbuku

撮影 : 北海道比布町(平成16年8月)

 さて、僕が関東に戻ってからすぐ、じいちゃんから連絡が入る。旭川市博物科学館(平成20年5月1日より旭川博物館と旭川市科学館がひとつになったとのこと)に問い合わせをかけたところ、学芸員の方にていねいに教えていただいたそうだ。以下がその時のお話。

 「20数年前、当麻町・愛別町などの農家で、減反政策のため、ため池を作り鯉(こい)を養殖した。その鯉の稚魚は本州から購入して持ち込んだが、その中にツチガエルが入っていた。それが何年もするうちに旭川近郊で増えたようだ。」(M学芸員さんより)

 とのこと・・・・・。
 20年前と言うことはちょうど僕と入れ替わって北海道にやってきたと言うことだ。僕が暮らしていた頃にはいなかったことは間違いない。ちなみに同じく北海道にいないはずのアズマヒキガエルも旭川近郊で繁殖しているらしい。


 遠く離れた地にいるからこそなおさら、ふるさとの自然がどんどん変わっていくというのは、なんともやりきれないものである。
 

(2008.8.31公開)

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