bunbuku

 上の写真は2008年3月26日に栃木県で撮影したトウキョウサンショウウオ。
 2009年に関しては時間ができたら見に行こうと思いつつ、もう少し先になりそうだ。

 さて、観察の目的は産卵。もうあらかた産卵は終わっているのだが、産卵の時期は個体によって多少ずれるので、遅れて産卵する個体に期待したいところ。

 例のごとく夜間の観察。
 小さな集積枡(ます)をのぞくと・・・・いたいた、トウキョウサンショウウオだ。上の写真でも計3匹確認できる。このポイントはもう10年、トウキョウサンショウウオの安定した産卵場所だ。
 敵はゴミ・・・・。毎年、この集積枡にはヘンなゴミ(子どもにはいえないような)がたまる。だから、冬から春にかけて、年に一回、一人でゴミ拾いを続けている。

トウキョウサンショウウオ  08年春・産卵 

 サンショウウオ目(有尾目)サンショウウオ科(日本固有種) 大きさ 8〜13cm 
 分布  関東地方から福島県相馬地方にかけて 
 関東地方にすむサンショウウオ。標高300m以下の池のまわり、水田近くの林などにすんでいる。夜行性でミミズなどを食べる。止水性(しすいせい)サンショウウオといって、水が流れていない池や田んぼに卵を産む。
 ウォッチングのコツ・・・・サンショウウオのウォッチングは意外と難しく、成体(おとなの個体)は林の湿った石や枯れ木をひっくり返したときに偶然見つける程度である。狙って探すならば早春。産卵地を探す。卵は3週間くらいは孵化(うか)しないので、成体よりははるかに見つけやすい。春の終わりに見に行けば小さなサンショウウオが見られるし、翌年のは早春に行けば成体が見られるかもしれない。
photo by mao

撮影:栃木県南部(平成20年3月20日、3月24日)

 2009年2月14日、北海道付近の低気圧に向かって南からの暖気が日本列島に流れ込み、全国的に気温が上昇した。関東では25℃を越えた場所もあり、日本中で3月から7月並みの暖かさだと言う。2月の観測史上最高気温を記録した地が、全国で106ヶ所にもなったそうだ。
 確かに暑い一日だった。本当にこの調子で地球がどんどん暑くなっていくのだろうか?
 
 平成21年2月2日の埼玉新聞で「カエル前線異常あり」なる記事を見つけた。
 地球温暖化やヒートアイランド現象の影響か、カエルやサンショウウオ類の産卵が早まっている、といった内容。昨年(2008)、埼玉、東京では12月中にアカガエルの産卵が確認されたそうだ。
 
 地球温暖化の影響が顕著に現れやすい両生類。前出の記事では東京都八王子市内の調査で、90年代前半と比較して、トウキョウサンショウウオの産卵が50日も早くなっているという。

 50日・・・・? なんか、ほっとけないよね。

 実はこの記事を書いている最中、この産卵地であらかたの産卵が終わっていたという情報が入ってきた。2月14日の時点でかなりの卵塊がもうすでに確認できたそうだ。
 春の足音に気づくまもなく、春の営みが終わっていた、なんて時代なのか。

 確かに彼らの産卵が早まっているのかもしれない。
 彼らは、地球規模のこんな環境変化についていけるのかなあ?

 ひときわ青い卵を発見。 
 青く光るのは産卵直後のみ。さっき産まれたばかりだね。
 右側の卵と比べると、まだふにゃふにゃしているのがわかる。
 卵の左側の落ち葉から成体がしっぽ(上)と足がはみ出している。この卵の親かな?

 卵も!
 産んでからけっこう時間が経っている卵だ。
 バナナ状の形態が卵の特徴。厚いセロファンのように膜はごわごわと硬い。

 周辺を見ると・・・・お、ぞろぞろいるぞ!
 水底に深く堆積した落ち葉の中には、もっとたくさんいるはずだ。
 その落ち葉を静かにどかしていくと・・・・・。

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photo by mao

 そーーーっと木をどかすと・・・たくさんの卵だ!
 狭いスペースには多すぎる数なのがいつも気になるけど・・・・・。
 写真だけ見ると優良な産卵地に見えるけど、他に場所がないからここに集中しているのかもしれない。周辺には他の産卵地が見つからない。


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