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(公開:2009.8.4)

ナガヒラタムシ


 コウチュウ目ナガヒラタムシ科  大きさ 9〜17mm  
 分布 北海道、本州、四国、九州、伊豆諸島(御蔵島)、小笠原、対馬、屋久島
 
夜行性で、おもに朽木の周辺で活動し、外灯等の灯りにも飛んでくる。昼間は木の葉の上などで、、触角を伸ばした独特の姿勢でじっとしていることが多いようだ。驚くとさらに足まで折りたたむ。6〜8月に現れる。幼虫は朽木を食べる。
 大変原始的な甲虫で、2億年以上も前に繁栄したグループの末裔(まつえい)だ。

 変な形の甲虫だ。
 手足をおなかの中に折りたたみ、触角を2本そろえてピンと伸ばしている。足が見えているけど、けっこう短いね。
 名をナガヒラタムシという。
 群馬県桐生市にあるぐんま昆虫の森で見つけた。前日に灯下に飛んできたようで、見つけたときは木造のトイレに設置された外灯のそばでじっとしていた。
 

bunbuku

撮影:群馬県桐生市・ぐんま昆虫の森(平成20年7月)

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 僕の持っている保育社『原色日本甲虫図鑑U』には一番初めに載っていた。そこにナガヒラタムシ科 Cupedidae の解説があるので紹介しよう。


 『現存する鞘翅目のうちで起源がもっとも古く、古生代二畳紀下部(2億年前)に遡るものとされている。本科または類縁の絶滅科の化石種が数多く発見されているが、現生種は少ない』

                              
保育社『原色日本甲虫図鑑U』より


 
ということである。
 この図鑑によると、日本にナガヒラタムシの仲間は3種と、南西諸島に未記載種が数種いるとなっている。平成元年に二刷として発行された図鑑であるから、発刊から20年が過ぎている。ずいぶん古い情報なので、現在は未記載の数種はたぶん記載されているだろう。
 まあ、20年前と言っても、2億年というこの虫の歴史に比べたら、ほんの一瞬の年月でしかない。
 太古の昔に繁栄していたであろう虫たちの、その末裔(まつえい)たちの声にそっと耳を傾けてみよう・・・・・。
 この虫、ほんとに音を出すというウワサがある。僕は聞いたことがないけどね。
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