bunbuku
 甲虫目ゲンゴロウ科   大きさ 12mm〜15mm  分布 北海道、本州、四国、九州
 体型は丸みを帯びた卵型。中型のゲンゴロウだが、その中では大きいほうなので、サイズと背中の模様で判別はしやすい。肉食でミジンコ類などを捕食する。
 かつては普通種だったというが、近年は減少している。平地から丘陵の池や沼、休耕田に生息。水質がよいほうが良いようだ。
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 写真は平成20年6月に採集した個体。
 採集場所はその前の個体と同じところ。水深の浅い、湿生植物がたくさん生えている広い池。
 2008年はその池に茶色い汚れた水が大量に流れ込んでおり、前の年までたくさん見られたタガメやクロゲンゴロウは1匹もいなかった。ところがマルガタゲンゴロウは健在で、マツモムシ、コオイムシに次いでよく採れた。

 こんな汚いところでも生息しているのだから、もしかすると、意外とタフな奴なのかもしれないとも思ったが、どの資料にも「きれいな水にすむ」とあった。濁っていても水質的には悪くなかったのかもしれない。

 水の汚れとは、見た目では判断できないところがやっかいだ。

撮影 : 関東北部(平成20年6月、平成21年4月)

 いるところにはたくさんいる昆虫なので、どうしても普通種の印象が強いが、いる場所自体はそんなに多く知らない。
 ・・・・ということは、意外と見つけにくい昆虫なのかもしれないと思い、調べてみた。

 すると、環境省のレッドデータブックでは準絶滅危惧種(NT)であった。さらに都道府県のレッドデータブックを調べてみると、絶滅危惧T類になっているところが6県、絶滅危惧U類は6府県、さらに準絶滅危惧種になっているところは4都県あった。

 合計すると16にも及ぶ都府県で絶滅を危惧されている。どうやらマルガタゲンゴロウは危機に瀕しているということらしい。
 しかし、その16都府県のすべてが関東以西である。つまり、マルガタゲンゴロウは北方系のゲンゴロウということだろうか。

(平成21年8月12日公開)

 写真のマルガタゲンゴロウは関東北部で平成21年4月末に採集したもの。もうほとんど東北地方といっていいくらいの場所だ。
 いつでもたくさん採れるのだが、(ナミ)ゲンゴロウやらタガメやらも観察できるポイントなので、マルガタゲンゴロウはまともに被写体として扱ったことがなかった。なんともやる気のない写真ばかりで申し訳なくなってしまう。
 

 ななめ横から撮影。
 背中の光沢が強く、撮影にはいつも苦労するが、実物はほんとにきれいである。

マルガタゲンゴロウ

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