嵐山より山奥なのでカタクリが今が盛り。黄色の花のエゾノリュウキンカ(ページ1枚目の写真)などの蜜を吸っている。
食草がオクエゾサイシン.。この草の葉に卵を産み付けている。
ヒメギフチョウには不思議な魅力がある。2年越しの撮影。そして「姫」のとりこになる。ボケーッとヒラヒラ舞う「春の女神」を見つめる。
3時間くらいいてこの日は30数頭の姫に会う・・・・。
今年は2回もヒメギフチョウに会うことができ、ラッキーであった。
まったく、春はボケーッと、が良い。
撮影:2007.5 (isamu)
制作:2007.10.8(isamu)
公開:2008.2.6
昨年は、時期を失して撮りそこなったヒメギフチョウ・・・・。今年こそはと意気込んで、雪解けの山に入る。そして、ついに見つけた時には深く感動した。
そんなヒメギフチョウとの初めての出会いをレポートしよう。
(じいちゃん先生)
isamu
ようやく雪の解けた5月。旭川市郊外の嵐山にヒメギフチョウを求めて出かけた。ここはヒメギフチョウが生息することで有名だ。しかし、前年に何度か通ってみたが、ついに1匹も出会うことがなかった。「数が少ないのだろう」と思ったが、インターネットなどで調べると、そうでもないらしい。どうやら時期を間違えていたようで、今年は2週間早く挑戦開始だ。
本当にヒメギフチョウは現れるのだろうか。遊歩道沿いのカタクリは満開だ。このあたりがポイントだろう。しかしヒメギフチョウは飛んでいない。
園内を作業中の人がきたのでいろいろと聞いてみた。
「暖かくなると出始めるよ。」「羽化時に翅を乾燥させているときは動かないので撮りやすいよ。」
よかった。時期も場所も間違えてはいなかったようだ。
でも、時間が早すぎたか。暖かくなるまで、もう少し待たなければいけない。それにしても・・・こんなに広いところで、どこに出るのか? 本当に会えるのか?
期待と不安の中、遊歩道を歩いていると、ヒラヒラ舞いながら近づいてくるチョウがいる。あちこちとまりそうでとまらず、いつの間にか笹やぶに消えていく。キアゲハのような黄色が目立つ。でも、キアゲハよりも一回り小さく、モンシロチョウよりは大きい。間違いない。探し求めていたヒメギフチョウである。
ある日、山菜をもとめて奥山へと潜入。目当ての山菜もとれたのでひとやすみ。その時じいちゃんの軍手にヒラヒラ舞い降りてきたものがいる。
静かに目を凝らしてみると、あのダンダラ模様がそこにあった。
まさしく「春の女神」ヒメギフチョウ、わざわざ居場所を教えにきたのか??
数秒やすんで笹やぶへ・・・・。・・・・
またヒラヒラ現れた。急いでカメラを構えるが、けっこう速くて素通りをする。春の日差しを受け、暖かくなる。次々に飛んでくる。ようやく地面にとまるヒメギフチョウ。「カシャカシャ・・・」シャッターの音。「やったー」ようやく念願のチョウをカメラにおさめることができた。
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チョウ目アゲハチョウ科 大きさ
分布 北海道、本州は、東北・中部・関東の一部(北海道のものは亜種エゾヒメギフチョウとして区別) |
ギフチョウとともに「春の女神」と呼ばれ早春に羽化する代表的なチョウ。ギフチョウとよく似ており、ギフチョウのほうがやや大きく、後翅の先がオレンジ色をしている等で見分ける。ヒメギフチョウとギフチョウ生息域は完全にわかれている(リュードルフィアラインと呼ばれる)とのこと。ヒメギフチョウはより寒冷な森林地帯に棲む。幼虫はオクエゾサイシン(北海道)、ウスバサイシン(本州)を食草として育つ。成虫はカタクリなどの花の蜜を好んで吸う。発生時期は、本州で4月〜5月、北海道では4月下旬から6月。おもに午前10時から12時前後に活動する。 |
ウォッチングのコツ・・・・いろんな場所で観察可能だが、インターネットなどで情報を公開している公園のようなところから攻めてみよう。発生時期をはずさなければかなりの高確率で会えるだろう。 |
isamu
isamu
翅を広げると5cmくらい、黒と黄色のダンダラ模様が美しい。裏側はダンダラと赤・ピンク・・・化粧も派手である。今回はカタクリの花の蜜を吸っているのが多い。同じカタクリの花を求めて、同時にやってくる個体がいる。
このチョウの発生期間は短い。
カタクリの花が終わると同時に、ヒメギフチョウもこの山からいなくなる。
isamu
isamu
ヒメギフチョウ(Luehdorfia puziloi)は本州にもいるが、本州産のものと北海道産のものでは、亜種レベルで違うようだ。本州産は亜種ヒメギフチョウ(L. p. inexpecta)、北海道産は亜種エゾヒメギフチョウ(L. p. yessoensis)となる。
その違いはよくわからないが、いずれは本州産も見てみたい。
春の女神 ヒメギフチョウ
写真・文 : じいちゃん先生