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(公開:2009.9.6)

bunbuku
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アリツカコオロギ


 直翅目アリツカコオロギ科  大きさ 3〜46mm  分布 北海道 本州 四国
アリの巣で暮らすコオロギの仲間。翅は退化してない。エサはアリが運んでくるものを横取りしたり、アリから口移しでもらう種もいる。日本にいる種は5種とも10種とも言われているようだが、詳細はわからなかった。アリヅカコオロギのようにアリの巣で暮らす昆虫は他にもいろいろいて、好蟻性昆虫(こうぎせいこんちゅう)という。

撮影:栃木県藤岡町・渡良瀬遊水地(平成21年4月)

 朽木などをひっくり返し、アリがごちゃごちゃいるのを見つけ、「またアリか」なんてすぐに木を元に戻してしまいがち。
 でも・・・・・・よく観察してみると、時おりおもしろい生き物が見つかったりする。
 その代表が今回紹介するアリヅカコオロギ
 名の通り、アリ塚などのありの巣に住むコオロギだ。

 アリの巣の中でアリの臭い(体表炭化水素というらしい)を身にまとい、アリのふりして一生を過ごす。アリには仲間と思われているようで、アリの運んできたエサをちゃっかり横取りしたり、時にはアリから直接口移しでエサをもらうそうだ。
 
 日本には10種類程度はいるようだが、まだ同定されていない種類も多いようで、今後新たに種が増えていくかもしれない。
 この手の生き物にはありがちだが、ネット上の情報が少ない。しかも、名前の表記は「アリカコオロギ」「アリカコオロギ」のふたつある。どっちが正しいのかわからなかったが、とりあえず「アリヅカコオロギ」のほうが検索数が若干多かったので、このページでも「アリヅカ」とした。

 こういうアリの巣に依存して生活している昆虫を好蟻性昆虫(こうぎせいこんちゅう)という。けっこうたくさん種類がいるようで、アリノスアブ、ハネカクシの仲間、アリノスシミ、クロシジミなどが有名だ。僕はアリヅカムシという甲虫を何種か(?)見たことがある。種によって、共生だったり寄生だったり、その目的も違えば(アリヅカコオロギはどっち?)、巣に侵入する方法も違うようである。
 なんともおもしろい世界だ。

 アリにはバレない変装も、アリヅカコオロギ同士ではわかるようで、たくさんのアリの中でもオスとメスが出会って、子孫を残していく。どういう方法なのかちょっと不思議である。

 一生を他の生き物のふりして生きるというのも不思議だが、我が家にいろんな生き物を同居させるアリの暮らしもまた不思議なのである。

bunbuku

 場所は渡良瀬遊水地。アリの種類は覚えていない。
 はじめてみた時は・・・と言うか、たいていの場合、見つけてもすばやく動き回ってまともな写真が撮れない。今回は越冬中といってもよい早春だったためか、4匹ほどのアリヅカコオロギが固まっており、うち1匹は動きが遅かったので、なんとか撮影できた。

 そういう意味でも、観察は春が良いかも。

bunbuku
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