bunbuku
bunbuku

 上の写真のほぼ中央に、6頭のタヌキが寝ている。時間はだいたい午後3時30分過ぎから、午後5時近くの間。ヨシ原の中でじっとしているので、なかなか見つけにくい(写真でもわかりにくいと思う)。発見は肉眼で、撮影は遊歩道から。つまり、休日で大勢の人が歩いている遊歩道から、わずか数10mの距離にタヌキたちが寝ていたということである。
 この日は朝からタヌキが目撃されており、この場所も自然観察センターの情報である程度特定できた。写真の右側に池があり、池の周辺で2グループ(親子)確認されている。


 なぜ、この写真が珍しいか・・・・。
 1.警戒心の強いタヌキはなかなか昼間は見られない。
 2.特にねぐらは人目につかないところにある
 3.ねぐらの写真をインターネットで探したけど、見つからなかった


 まあ、タヌキ自体は都市部でももっとも目撃されやすい哺乳類なので、そんな大騒ぎするようなことではないのだろうが・・・・・。
 

タヌキ 北本市ねぐら編

もどる

 食肉目イヌ科  大きさ 50cm〜60cm  
 分布 ホンドタヌキ 本州〜九州 エゾタヌキ 北海道 中国やロシアに分布するタヌキの亜種
 夜行性、親子や家族で生活。一夫一妻制で、オスも子育てする。雑食性。みんなで一箇所にフンをする習性があり、「ためフン」の場所は情報交換の場になっているそうだ。山里から、2000mの高地まで生息域が広い。
 ウォッチングのコツ・・・・夜行性なので、夜の林道ドライブがおすすめ。春から夏にかけては特によく見かける。
ただし、びっくりすると失神してしまう(俗に言うタヌキ寝入り)らしいので、ひいてしまわないように気をつけること。とにかく車にひかれる野生動物ナンバー1で、特に巣立った若い個体が犠牲になりやすい。
もっと確実に観察したいのならば、餌付けされている民家や旅館などで観察させてもらうのがよいだろう。     

 この写真、けっこう珍しい記録かもしれない・・・・・。
 見れそうで見れない、タヌキのねぐらである。

 場所は埼玉県北本市・北本自然観察公園。このページではおなじみのフィールドだ。
 

 上の写真はほとんど日が沈み、周囲が暗くなってきたころ。
 真ん中左寄りにタヌキの耳が見える。撮影はもう無理なのでこの1枚であきらめたが、直後に耳だけタヌキが顔を上げてくれた。もう少し待てば活動を始めるところなのだろうが、駐車場がしまる時間なので引き上げる。

 昼間はなかなか会えないタヌキであるが、北本自然観察公園を始め、緑が多くて敷地が広い都市公園では昼間もけっこう目撃される。北本の場合は「人を見慣れている」ので、昼間でもわりと活動もするし、この日のように無防備なねぐらまで見せてくれるのだろう。
 以前も取り上げたように、警戒心が強いといっても餌付けもされやすいタヌキたち・・・・・。「人に慣れる」ことができたからこそ、都市部でも生き残れたのだ。


 このあと、僕もぽんぽこも何度も北本自然観察公園に行ったが、同じ場所でタヌキを見ることはなかった。よく聞く話だが、タヌキのねぐらはいくつもある、ということだ。
 1ヶ月くらい経ち、このねぐらより100mくらい離れた場所で、ふたたび僕はタヌキのねぐらを見つけた。しかし、湿地の向こうのヨシの裏にわずかに見え隠れする、数頭のタヌキの背中をながめることができただけであった。

 しばらくねぐら探しは続けたいが、大勢の人たちがクイナやヤマシギを狙っているわきで、「僕の本命はタヌキのねぐらです」とはなかなか言えない僕であった。

(2008.3.5公開)

ぶんぶく ぶんぶく探検隊トップページへ
リンクフリーです

撮影 : 埼玉県北本市・北本自然観察公園(平成20年1月)

inserted by FC2 system