ニホンジカ 神奈川丹沢編

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 どう見ても変な写真・・・・。
 何が変なのかと言うと・・・・近すぎるのである。
 左カーブのガードレールの向こうにシカを見つけ、正面に車を止めて撮影した。その距離は3m強といったところか。
 こんなに近すぎるのは変だ、と思いながらシャッターを切る。でも、これがこの地でのシカとの距離なのだ。

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 最後に1枚目と同じシカ。
 撮影は車のライトでピントを合わせた。こんな夜の遭遇では車のライトは消さないほうがよい。消したとたんにたいていのシカは逃げる。たぶんこの不健康なシカたちも・・・。
 夜の暗闇を見渡せる目には、車のライトはまぶしすぎるのだ。

 保護されるようになってから、シカはどんどん増えた。増えたシカは生息域を拡大していった。その結果、シカの生息圏人の生息圏が近づきすぎた。さらにシカたちは人に守られる。脅(おびや)かされなければ、人は「怖くない存在」だ。たぶん、そんな理由でシカは人から逃げない
 「逃げないシカ」がいけないとか、そういうことではない。人の都合で野生生物が不健康になっていく。そんな恐怖を体感した一夜だった。
 

 でも、僕としてはやっぱり、野生生物に無視されるのはなんとも腹立たしい。のんきに草など食べてる場合か、と写真のシカに言いたくもなる。

 場所は神奈川県。宮ヶ瀬湖から丹沢に向かう道路での出来事。こんな接近遭遇が途中で何回も繰り広げられた。シカが多いところは他にもあるが、こんなに近づけることに正直驚いた。野生生物との距離としては、あまりにも不健康だ。

撮影 : 神奈川県丹沢周辺(平成19年1月)

(2008.2.10公開)


bunbuku
bunbuku
 偶蹄目シカ科  大きさ 雄90cm〜190cm 雌90cm〜150cm 北海道〜九州 7つの亜種がある。
 同一種がベトナム〜極東アジアに分布 
ケラマジカは、近絶滅種(IUCN)天然記念物
 群れで生活する。草地のある森林に生息、木の葉、草、種子などを食べる。オスは大きな角をもつ。夏毛は茶褐色に白い斑点の鹿の子模様がある。繁殖期は一匹の雄がハーレムをつくる。北海道のエゾシカ、本州のホンシュウジカ、屋久島のヤクシカなど7つの亜種がある。
ウォッチングのコツ・・・日本各地で増えすぎで問題になっているシカ。夜によく活動し、夜間の林道ウォッチングがおすすめ。場所を選べば観察はそれほど難しくない。
 今回取り上げた神奈川県丹沢周辺では、人に慣れて逃げないシカが目立った。とは言っても相手はまぎれもなく野生動物。近距離で遭遇しても近づきすぎないように気をつけてほしい。

 このオスのシカは逃げた。
 とは言っても、この距離から撮影できているので、やっぱりすぐそばまで近づけたということ。撮影中は「逃げた」というだけで健康に感じてしまったけど・・・。

 この写真のシカたちも道を悠然と歩く。自然の豊かなところに住む人や、山道を夜走る人たちにはおなじみの光景だろう。でも、このシカたちも逃げない。停車中の車のすぐ脇を悠然と通り過ぎていく。
 逃げないシカは不気味。やっぱり不健康だ。

 場所の詳細は忘れてしまったけど、丹沢の広い駐車場になっているところでも、何頭ものシカに会う。久々に車を降りて追跡したけど、ゆっくり食事しながら離れていく程度の逃げ方であった。

bunbuku
bunbuku
bunbuku

 こちらのシカは丹沢を下って宮ヶ瀬湖に近いあたり。このシカたちも逃げた。さすがに山から降りて人家に近づけば、人との距離も健康になってくるのか? 

 ちなみにシカのおしりの白い毛は、遠く離れていてもよく目立つ。警戒心が強い場合はこの白い毛をもっと逆立てるので、おしりに白い風船(もしくは白いざぶとん)がついているみたいに見えたりする。白い風船は遠いシカを探すときのポイントとなる場合が多いから、覚えておくとよいだろう。

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