ムササビ

 僕の場合、ムササビは狙わなければほとんど出会わない。
 たまたま見かけたのは数回のみ。他は事前の情報があるところか、昼間にフィールドサインなどを見つけて、日没に合わせて待ちかまえるというパターン。
 まあ、はずすことのほうがはるかに多いけどね。

 で、今回は東京のポイント。有名なところなんだけど、3年通ってようやく会えた。フンや食痕を見つけても、そこで会えるとは限らない。巣穴を複数持ち、季節により巣を移動するムササビ。でも、会いにくい哺乳類ではない。むしろ、狙って会える数少ない哺乳類である。

 これは鳥の巣箱を巣にしているムササビ。巣箱を利用するパターンはけっこうあるようだ。
 ムササビの巣かどうかは、周辺に落ちているフンを確認することが一番確実。
 大きな瞳がめちゃくちゃかわいい。その目こそ夜行性のこの動物の特徴。
 似ているモモンガとは鼻が違うので、覚えておこう。ピンクのだんご鼻ムササビ

 観察には日没後30分たったあたりが狙い目。巣穴の近くで待っていれば高確率で見つけられる。たまたま張っていた穴にムササビがいれば、写真のようにこんな表情も見られる。

 食痕やフンはまたの機会に改めて紹介しよう。
 写真の巣穴は大きな杉の樹に作られたもの。枝が落ち、朽ちたところに巣を作る。ムササビが出入りするので、光沢があったり、傷がついているので、「生きた巣」かどうかもある程度推測できる。

 巣から飛び立ったらまず、近くの枝にとまる。写真下が頭。おなかが白いね。
 杉の葉をよく食べるので、杉の木が大好き。
 巣から飛び出した直後のこの状況ではよく鳴くので、声を覚えておくと見つけやすい。
 細く透明な声で「るるるるるー」と鳴く。

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げっ歯目リス科  大きさ34〜49cm 分布 本州〜九州
足の間の皮膜をひろげ、木と木の間を滑空する。夜、空中を音もなく飛ぶ忍者を連想する動物。日本固有種で、森林や寺社林にすむ。夜行性で、日没後活動をはじめ、木の種や果実等を食べる。樹洞に巣を作るため、洞があるような大木がある森でないと生きられない。神社や寺では里にあっても、大木が残っているため、住みつくことがあり、身近に観察できる。
bunbuku
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撮影:東京都(平成17年12月)

bunbuku
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 杉の葉を食べているね。
 他の植物も食べるけど、杉が圧倒的に多いようだ。
 食べものも巣も、ムササビは杉と密接な関係だといえる。

 さて、ムササビの真下というこのポジションは、実は非常に危険なポジションなのだ。
 巣から出た直後のムササビは、『ぱらぱら攻撃』という恐ろしいワザがあるのだ。
 『ぱらぱら攻撃』・・・とは「フンをぱらぱらを真下にばらまく」というもの。
 ・・・・・恐ろしいでしょ?
 で、上の写真を撮影するポジションでは、間違いなくフンが顔面に降ってくる。
 当然、僕もやられた。

 防御法はただ一つ。
 ムササビを真下から観察するときは、必ず口を閉じること
 もっと恐ろしいことになってしまわぬように・・・・。

(公開2009.12.2)

 少し体を巣から出した。だいたい日没から30分くらいの間にはこんな姿が見られるかも。
 じきにエサを求めて暗闇に飛び立つ。それまでの間がけっこうあるので観察チャンスだ。
 

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