ここ数年、簡単に見つかると思っていたのに、なかなか見つけられなかったのがカヤネズミの巣。カヤネズミはカヤやヨシに球状の巣を作る。カヤネズミ自体は見つけにくくても、10cmあまりのその巣は、わりと簡単に見つかると思っていたのだ。ところが・・・・いろんなところで巣探しに挑むも、ことごとく失敗に終わっていた。
 そこで今回は、埼玉県北本市にある北本自然公園で確認されている巣を見に行くことにした。同行はS氏家族らくろば。ちなみにときおり当ページに登場するらくろばを正確に書くと「落ロバ」。エジプトで文字通りロバから落ちて骨折したというおばか伝説を持つ。
 北本自然公園ぽんぽこがボランティアで参加していた(現在育児休業中・・)ところで、むさし野の里山をそのままに残した公園だ。埼玉県生態系保護協会が運営する自然学習センターで、専門のスタッフが園内に生育する植物や生き物について、気さくに教えてくれる。
 カヤネズミの巣はいくつか確認されているが、スタッフですらカヤネズミの姿を見ることはまれであるという。

 自然公園で教えてもらったあたりをていねいに探す。ところが、数日前にやってきた台風9号は関東を直撃し、予想していたとおり、葦は折り重なって倒れている。しかも、強風で巣が無事だとは限らない。「巣が壊れたらまた作り直すのですが・・・」とスタッフの人は教えてくれたが、さっと見た限りではそんな雰囲気もない。木橋の上から、いくら探してもカヤネズミの巣は見つからず、もうあきらめようかと腰を下ろした。
 同行のS氏も「ないっすね〜〜」と僕の脇に腰を下ろす。「あんな感じのところにあるはずなんだけどね」と僕は1.5mくらい先を指差した・・・・・。
 あれ? あれれれ・・・・? なんか丸いモンが・・・・?

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 カヤネズミは写真のような葦原に棲む。水辺からは少し離れたところ、つまり、水の増水があっても水没するようなところには巣を作らないらしい。
 かつては、普通に生息していたカヤネズミだが、農地の減少や外来種の増加などで、巣作りに適したススキ野原が減ってしまい、地域によっては絶滅のおそれがあるそうだ。

台風で倒れたカヤ原

カヤネズミの巣 〜埼玉県・北本自然観察公園〜

カヤネズミの巣・・しばらく待つが家主は留守のよう

bunbuku

現地施設

北本自然観察公園内風景

げっ歯目ネズミ科 大きさ 5〜8cm 分布 本州〜九州(ヨーロッパ・アジアにも生息)準危急種(IUCN)
 日本でいちばん小さなかわいいネズミ。ススキなど、イネ科の植物でまりのような丸い巣を作るので、マリネズミという呼び名もある。食べ物は、昆虫や植物の種子など。巣を作るに適した植物のある草地や休耕田、河川敷などにすんでいる。巣は、地上から1mくらいのところにあり、直径10cmくらいの大きさで、見た目は鳥の巣のよう。その巣の中で子どもをうみ、育てる。オスも、メスも巣をつくり、休憩用と子育て用と使い分ける。冬は地下にトンネルを掘ってすごす。
ウォッチングのコツ・・・草のなかほどに丸い巣・・・すぐに見つかりそうだが、けっこう難しい。一度コツを覚えると見つけられる確率もアップするだろう。巣に適したススキ原を見つけ、大きくて太いヨシよりは、きゃしゃなススキのほうが良いようだ。地上50cm〜1m、丸い巣を根気強く探そう。運がよければ、巣の上で昼寝するかわいい姿が観察できるそうだ。巣の中をのぞくのは厳禁。子育てを放棄してしまう。

bunbuku

bunbuku

(公開 : 平成19年9月22日)

撮影 : 埼玉県北本市・北本自然観察公園 (平成19年9月8日)


 あった・・・・! なんと僕が指差したまさにそこに、丸い巣があった!
 カヤをていねいに編みこんで球状になっている。恋焦がれていたカヤネズミの巣だ。
 それにしても・・・・。なんかかっこ悪い発見で、僕はS氏にかくれて小さくガッツポーズをしたのであった。


 天気のよい日などは、巣の上で昼寝するかわいい姿が見られるらしいが、それを教えてくれたスタッフのAさんが見たわけではない。強引に巣をのぞくことは厳禁。子育て中の生き物にストレスを与えると、子育てを放棄してしまうこともある。そっと巣の外に出てくるカヤネズミを待つしかない。
 公園スタッフのAさんは「一日張り付いたこともあるんだけどね〜なっかなか見れないんだよ〜、運のいいひとがいるんだよね〜」と、くやしそう・・・・。
 さて、僕は運のいいひとになれるだろうか。長期戦を覚悟で、数年は通ってみようと思う。

北本市自然観察公園(自然学習センター) 埼玉県北本市荒井5-200

電話048-593-2891
とっても充実したホームページがあるので、そちらを参考に。
北本自然学習センター
公園内はいつでも出入り自由。動植物の採集は禁止。
学習センターには専門のスタッフが常駐。気さくに教えてもらえる。土日祝日には定例観察会のほか、子供向けのいろんなイベントがあるので、親子で楽しめる。
学習センターは開館時間:9:00〜17:00 休館:毎週月曜日(夏休み春休みは休みなし) 入館料:無料
交通:JR高崎線北本駅より北里メディカルセンター入り口行きなどで15分、自然観察公園前下車。
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