アカネズミ
撮影 : 新潟県魚沼市・入広瀬 (平成18年6月17日)
理由はわからないが、東北の山では、6月になるとネズミに出会うことが多い。
時間帯はたいてい夜。ただ道を車で走るだけで、けっこうな確率でネズミ類が走っている。
そしてこの日、福島県から新潟県のちょうど県境あたりのトンネルで、僕はたくさんのアカネズミに出会った。
まるでパーティーさながらに、アカネズミが右に左に走り回る。トンネルでアカネズミ、と言うのは何度か経験があるが、このトンネルは別格。たぶんその数、20匹以上。
なんでこんなにいっぱいいるんだ?
名の通り、赤みが強い体色。おなかが白いのも特徴。
じっとしていることがなく、撮影は思いのほか苦労した。しかも、一人旅だったので、自分でネズミにライトを当てながら、手持ちの500mmレンズをマニュアルで操作しなければならなかった。しかも車の中・・・・。めったに来ないのはわかっていても、後続の車が来ないか心配で、常に音にも集中せざるを得なかった。
公開:平成20年12月31日
もうひとつのパターンは、トンネルの壁のつなぎ目から出入りしていると言うパターン。
数は多くないが、上の写真のように立ち上がり、隙間を見つけては壁に消えていく。
斜め後から。しっぽが印象的だ。
さて、アカネズミはこの夜、何をしていたのだろうか?
アカネズミは単独性のネズミなので、群れで暮らしているわけではないと思う。
では、たまたま繁殖期などの特殊な事情があったのか?
それともこのトンネルが住みやすくて、単独で暮らすアカネズミがたくさんいたということか?
まあ、どちらでも良いのだが、またしても生き物の奥深さに触れた瞬間であった。こういうこともあるもんだなぁ。
最後に走るアカネズミを。
まずは後姿。一目散に逃げる。
どこからアカネズミは湧いてくるのか?
はじめは見当もつかなかったけど、ひとつのパターンは側溝のふたのすきまからよじ登ってくるというパターン。これはよく見た。
斜め前方から。逃げ場に迷い、ふらふら近づいてきた。
飛び出しそうな目といい、アカネズミらしい顔だ。
上の写真ではしっぽがずいぶん短く見える。
写真ではだまされることもあるので、慎重に判断しなければならない。
目がこぼれ落ちそうなくらい、飛び出し気味。これもアカネズミの特徴。
しっぽは体長と同じくらい。しかし、他の写真を見てもらえばわかるが、写真は遠近感がつかめないので、正しい長さや比率は把握しにくい。