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 時おり顔が見える。丸みがある顔なのでメスだろう。
 
 じきに日が沈む。夕陽が痛んだ体を赤く染める。一瞬、かつての勇姿が僕の前に現れ、そして消えた。
 
 命を紡ぐ最後の仕事だ。 ・・・・がんばれ、サケ。

 ばしゃばしゃと水しぶきが立っているのだろうと思っていたが、予想と違って、水面は静かだった。
 よく晴れていて、風が強くて、寒くて、そして静かな川・・・・・。さらさらと流れる水面の下で、サケたちのドラマがクライマックスを迎えようとしているとは、とても思えない。

↑ 調査中のおじさん

 場所は埼玉県深谷市利根川。最近も埼玉新聞などで紹介され、地元では有名だ。
 以前、埼玉県行田市利根大堰(サケ1・2・3参照)を紹介したが、そこから上流に30分ほど、車で進んだあたりに産卵地がある。

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↑ 水しぶきが・・・

ときおりしぶきがあがる。産卵なのだろうか。川岸からはよくわからない。

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 力なく全身が水面から現れる。
 傷がかなり目立ち、旅の過酷さをまざまざと見せてくれる。
 このぼろぼろな体から、今まさに新しい無数の命が生まれようとしているのだ。

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サケの産卵 旅の終わりはいのちの始まり     
                     
〜埼玉県深谷市・利根川〜

 サケがふるさとに帰ってきた。産卵である。
 
 もう時期的に遅く、まだいるか不安であったが、岸から目を凝らすと、水中にサケが見えた。海から始まった長旅も終わりに近づき、白くぼろぼろになった体を静かに揺らす。

 ここがおまえたちの生まれ故郷であり、旅のゴールだ。その体中の傷は、きびしい旅を乗り越えてきたという証。

↑ 顔を見せたサケ

↑ サケ発見!

↑ 白くなったサケ

↑ 原因はこれ

↑ 時おりおしりが見え・・・

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(おまけ) 利根大堰情報


最後に、産卵地に行く前に寄った利根大堰の情報を・・・。
もう、ほとんどサケが登らなくなったこの時期、なぜか観察室は人であふれている。
こんなこと、今まで一度もなかった。

たった1匹のサケが観察窓に現れるだけで大歓声が上がる。
どうしてこんなに人がいっぱいなんだ???

 原因はTVで紹介されたことのようだ。
 1週間前、6chの「どうぶつ奇想天外」で放送されたそうだ。
 TVの効果ってすごいね!

 このポスターがすごくかわいいので、僕はすっかり欲しくなってしまった。

ふるさとめざし、がんばれサケ シリーズ
サケの遡上 1

サケの遡上 2
サケの遡上 3

 帰り際、河原に止めた僕の車近くに、群馬ナンバーの車が1台止まっていた。そのそばにウェーダー(胴付長靴)をはいて、長い木の棒を持ったおじさんがいた。

 おじさんは地元のサケを守る会の方だそうで、産卵床の調査のため、川を見てまわっているそうだ。

 おじさんによると、産卵床はここの上下流部あわせて52箇所ほど確認しているとのこと。少し下流が一番多く、10ヶ所くらいの産卵床があるそうだ。小学校などで稚魚の放流が活発に行われているが、放流したサケは、かなりの数が利根川に戻ってきているそうだ。

 最後に、「産卵場所」がオープンになっていることについて聞いてみた。おじさんは笑いながら、「産卵ポイントはあえてオープンにしているんです」とのこと。そのほうが「密漁が減るから」とのことであった。

 年々、遡上数が増えてきた利根川のサケ・・・。
 その影に、いろんな人たちの地道な活動があることを忘れてはならない。

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